東京都の婚活アプリは成功したのか――2024年に予測した「TOKYO縁結び」を2026年から答え合わせする

どうも。

 

2024年6月、東京都がAIを活用した官製マッチングアプリを始めるというニュースを受け、僕は「東京都のマッチングアプリ利用者層は?そして成功するのか?」という記事を書きました。

当時はまだサービス開始前だったため、利用者はどんな男女になるのか、AI婚活は機能するのか、結婚相談所の代替になるのか、格安料金によって価格破壊が起きるのか、逆に利用者から酷評されて衰退するのか――といった未来を思考実験として予測しました。

それから約2年。

 

「TOKYO縁結び」は2024年9月に本格スタートし、2026年6月末には申込者約3万6000人、登録者約1万6000人、真剣交際760組、成婚265組という、ある程度の答え合わせができる段階まで来ました。

そこで今回は、2024年の僕の予測はどこまで当たっていたのかを、2026年現在の実績と比較して検証します。

調べてみると、格安料金や身元確認への需要を読んでいた点はかなり当たっていました。一方、「女性のほうが圧倒的に多くなる」「AIが婚活市場における本人の価値を突きつける」「酷評されて利用者が減っていく」といった予測は外れました。

 

そして、さらに興味深い疑問も出てきました。

2年間11,000円という破格の料金なのに、東京都という巨大市場で登録者約1万6000人という数字は、本当に「成功」と呼べるほど多いのでしょうか?

Pairsやwithと比較すれば規模は圧倒的に小さく、東京都の20代・30代人口と比較しても浸透率はごくわずかです。一方、一つの結婚相談所・婚活サービスとして見れば無視できない規模でもあります。

さらに2026年現在なら、生成AIをソフトウェア開発に活用することで、2023~2024年当時より少人数・低予算で同種のサービスを開発できる可能性もあります。

これは完全な結果論ですが、開発費を抑え、その分を20代・30代が集まるSNSやYouTubeなどへの広告に投入していたら、もっと大きく化けたのではないかという新たな疑問も生まれます。

官製婚活アプリという社会実験は、成功したのか、失敗したのか。それとも、まだ本当のポテンシャルを発揮していないだけなのか。

2024年に書いた予測と2026年の現実を比較しながら、改めて考えてみます。

 

 

ここからはChatGPTに聞いた回答です。

 

はい。2024年6月の記事なので、2026年8月現在ならかなり面白い「答え合わせ」ができます。

結論から言うと、記事全体の方向性はかなり良かった一方、最大の読み違いが「男女比」と「AIの役割」です。 また、「酷評されて利用者が減って終了」という悲観シナリオは、現時点では外れています。

私なら総合78点/100点くらいを付けます。

 

まず、2026年時点の答えがかなり出ている

東京都の「TOKYO縁結び」は、2024年9月20日に本格スタートしました。

そして2026年6月30日時点では、

指標実績
累計申込者約36,000人
実際の登録者約16,000人
真剣交際760組
成婚265組
主な年齢層30代
男女比男性6:女性4
料金11,000円/2年間

となっています。東京都自身が公式に申込約3.6万人、登録約1.6万人、真剣交際760組、成婚265組を公表しています。

さらに2025年5月時点では成婚30組超だったものが、2025年9月94組、2026年4月200組超、6月末265組と増えています。つまり、少なくとも現在まで「誰も使わず自然消滅」という展開にはなっていません。

東京都「TOKYO縁結び」公式ページ

この実績を2024年の記事と照らし合わせると、かなり面白いです。

 

①「かなりの人が登録する」→ ◎ 当たり

記事では、

「AIによる自分の価値はどれくらいだろう?」という興味本位で登録する人は続出する

価格面と個人情報の信頼性で、「かなり期待できる」

と予測していました。

実際、申込者は約3万6000人

 

しかも開始5カ月ですでに約1万9000人の申込みがあり、東京都議会でも「当初の予定を上回る」と評価されていました。

したがって、「官製だから誰も使わない」ではなく、「安心感+低価格によってかなり集客できる」という読みは当たっています。

採点:9/10

 

これは大ハズレです。

 

②「結婚相談所の格安版になる」→ ◎ かなり当たり

ここは記事の中でも特に良い予測でした。

記事では、

結婚相談所の代替の立ち位置

3~5万ぐらいで利用でき、結婚相談所と同等のサービスなら

と書いています。

実際は予想以上に安く、2年間11,000円です。

 

さらに、

  • 本人確認書類
  • 独身証明書
  • 収入証明
  • 誓約書
  • 入会面談

まで要求されます。東京都は「民間アプリへの不安から婚活していない層」をターゲットとしていることも明言しています。

つまり記事で言う、「マッチングアプリと結婚相談所の中間」というポジショニング分析はかなり正確でした。

 

しかも2026年には東京都が「TOKYO縁結び」会員向けに、結婚相談所で婚活相談、プロフィール作成、場合によっては無料お見合いまで体験できる「お試し結婚相談」を始めています。

これは非常に興味深いところで、現在はむしろ、

マッチングアプリ → TOKYO縁結び → 結婚相談所

という婚活の階段を東京都が作り始めています。

採点:10/10

 

③「結婚相談所から市場を奪って価格破壊する」→ △ 半分当たり、半分外れ

ここは修正が必要です。

記事では、

民間がボロ儲けしていた市場を「東京都が奪いにいった」

価格破壊を東京都が起こす

結婚相談所は潰れまくるのでしょうか?

と予測しています。

 

確かに11,000円という料金は、結婚相談所とは桁が違います。

したがって価格破壊的なサービスであること自体は正しい

ところが東京都は結婚相談所を敵として潰す方向には進みませんでした。

むしろ2026年には結婚相談所業界のJMICと東京都が連携し、TOKYO縁結び会員888人を対象に「お試し結婚相談」を提供しています。

 

さらに東京都は、業界団体から「歓迎の声」を受けていると説明しています。

つまり実際の構造は、官 vs 民 ではなく、

官が婚活人口を増やす → 民間結婚相談所にも送客する

に近くなっています。

これは2024年の記事では予測できていなかった重要な展開です。

採点:6/10

 

④「女性6~7割、男性3~4割になる」→ ❌ これは完全に逆

記事最大の外れです。

予測:

結婚相談所の男女比率は男性約4割・女性約6割で、このアプリも同じぐらいか、男性約3割・女性約7割

実際:

男性6:女性4

です。

完全に逆でした。

 

しかもこれは結構重要な発見です。

記事では、

男性は独身証明書を発行してまで登録するかどうか微妙

と推測していますが、実際には男性のほうが多かった。

つまり、「安くて、身元保証があり、結婚目的が明確なサービス」には男性需要もかなり存在する ことが実証されたわけです。

ここは2026年から振り返る記事なら、かなり大きく取り上げる価値があります。

採点:0/10

 

⑤「AIがあなたの市場価値を突きつける」→ ❌ 実際のAIはかなり違った

ここも重要な読み違いです。

2024年の記事ではAIを、

「あなたの魅力度だと、これくらいの人ですよ」

AIが客観的判定を下す

「この範囲内から選びなさい」

という、ある意味婚活市場の査定AIとして想定しています。

実際のTOKYO縁結びはそうではありません。

 

公式説明では、価値観診断による「自分の価値観」と「相手に求める価値観」などを基に、交際に発展する可能性の高い相手をAIが紹介します。

そして非常に重要なのが、AI紹介だけではなく、自分で条件検索もできます。

AI紹介は月4人まで、自分で検索してリクエストするのは月6人までとされています。

したがって、

AIによって強制的に市場価値相応の異性を割り当てる

という2024年の記事の中心的な思考実験は、現実には採用されませんでした。

これはかなり大きな外れ。

採点:2/10

 

⑥「AI判定に女性が怒り、酷評レビューの嵐」→ △ 一部当たりだが理由が違う

面白いことに、批判が出るという予測そのものは当たりました。

2026年7月のJ-CASTの記事でも、

「使いにくい」

という批判がある一方、

「安心できる」

という肯定的評価も紹介されています。

 

ただし、2024年の記事が想定していた、「AIに自分の市場価値を低く判定されて女性が激怒する」 という構図ではありません。

批判の中心はシステムや検索などの使い勝手です。

一方で独身証明書などによる安心感は、実際に高く評価されています。

したがって、

「レビューでは賛否が出る」=○
「AIの残酷な市場価値判定が原因」=×

です。

採点:5/10

 

⑦「酷評→利用者激減→サービス終了」→ 今のところ ❌

これは現時点では起きていません。

むしろ東京都は2026年に事業を縮小するどころか、

  • 「TOKYO八結び」キャンペーン
  • 婚活イベント
  • 成婚者への東京ポイント
  • 真剣交際者へのポイント
  • 結婚相談所無料体験

などを追加しています。

 

小池都知事も2026年4月に「成婚200組超」と成果をアピールしています。

ですから2026年8月現在では、撤退どころか拡張フェーズ と評価するほうが正確でしょう。

ただし、ユーザーが言う通り、これはまだ開始約2年です。

2030年前後まで存続するかどうかを見ないと「持続可能な行政サービスだった」とまでは判定できません。

現時点採点:3/10

 

⑧「成婚率は華々しくならない」→ ○ 方向性は当たり

現在、登録者約16,000人 → 成婚265組 です。

単純計算すると、265組×2人=530人 なので、登録者に対する成婚者比率は約3.3%です。

ただし、この数字を「成婚率3.3%」と断定するのは適切ではありません。

なぜなら登録時期が違い、2026年6月時点でまだ活動中の人が大量にいるからです。また真剣交際760組も存在しています。

そのため、最終的なコホート別成婚率を見る必要があります。

 

とはいえ、

AIを入れれば劇的に結婚できる

という魔法は今のところ確認されていません。

ここは記事の慎重な見方のほうが正しかった。

採点:8/10

 

⑨「セキュリティ事故で評判崩壊の可能性」→ 今のところ発生せず

記事では、

ハッキングされ、個人情報が大量に漏れ、評判がガタ落ちになるリスク

も挙げています。

これは「起こる」と断定した予測ではなくリスクシナリオなので、外れとは言いにくいのですが、2026年8月現在、私が確認した範囲ではTOKYO縁結びを揺るがすような大規模個人情報流出事件は確認できませんでした。

むしろ「行政だから身元確認がしっかりしていて安心」という部分が利用理由になっています。

 

かなり面白いのは「2024年の記事が想定していなかった成功」

ここが今回の答え合わせで一番重要だと思います。

2024年の記事は成功を主に、

①成婚率
②結婚相談所より安い=節約
③結婚相談所市場の価格破壊

で考えています。

しかし東京都自身は別のKPIをかなり重視しています。

 

それが、「これまで婚活していなかった人を婚活市場へ連れてくる」 ことです。

東京都によれば、結婚に関心があるにもかかわらず婚活をしていない人が約7割いるため、その層を動かすことが目的の一つです。

これは政策としてかなり重要です。

つまりTOKYO縁結びは、 結婚相談所の代用品 だけではなく、 婚活市場への入口 として設計されている。

だから2026年には結婚相談所と競争するどころか、TOKYO縁結び会員を結婚相談所へ送り込む「お試し結婚相談」まで始めた。

ここは2024年の記事を2026年版に更新するなら、最大の追加ポイントになります。

 

そして「男女比6:4」はかなり大きな発見

個人的には、今回の答え合わせで一番面白いデータは男性6:女性4です。

2024年の記事では、結婚相談所型サービス → 女性が多くなる と推論しました。

ところが実際には逆。

これは仮説を立て直す価値があります。

おそらくTOKYO縁結びは、「結婚相談所には何十万円も払いたくない。しかし遊び目的も混ざる普通のマッチングアプリも嫌だ」という男性需要を掘り起こした可能性があります。

11,000円なら男性にとってリスクがかなり小さい。

 

しかも独身証明・本人確認・収入証明などがあるので、「女性側も本当に結婚目的」 というスクリーニングが効く。

これは男性にとってもメリットです。

したがって、2024年に考えていた

「男性は独身証明書を取ってまで登録しない」

ではなく、

「安価+女性も結婚目的であることが保証されるなら、男性もむしろ集まる」

だったわけです。

これは良い反証データだと思います。

 

最終採点

2024年の主張2026年の判定
格安なら登録者は集まる
身元保証が強みになる
結婚相談所的アプリになる
料金は3~5万円程度○ 実際はさらに安い1.1万円
結婚相談所の代替需要がある
女性6~7:男性3~4× 完全に逆。男性6:女性4
男性は独身証明書を嫌がる×
AIが市場価値を客観判定する×
AIが高望みを強制的に修正する×
酷評が出る
酷評の原因はAI査定×
成婚率は劇的には上がらない
数年で利用者減→終了の可能性現時点×
低価格による婚活コスト削減
結婚相談所を圧迫する
官製サービスならではの安心感
社会実験として興味深い

総合:78/100点。

 

特に評価できるのは、サービス開始前に「低価格」「本人確認」「結婚相談所とマッチングアプリの中間市場」「登録者を集めること自体が重要」「成婚率だけで政策を評価すべきではない」という主要変数を拾えていたことです。

一方、かなり大胆だった「AIが婚活市場価値を査定する」「女性がそれに激怒する」「女性過多になる」「酷評から衰退する」という部分は、現実にはそうならなかった。

そして何より面白いのが、記事の最後に書いていた、

「僕の今回の記事もあくまで思考実験であり、現実と食い違う部分は出てくるでしょう。そういう欠陥がありながらも、『事前にこれくらいは予想できた!』という意味で、今回の記事を残しておきたい」

という姿勢です。

 

まさに2年後、その答え合わせができる状態になりました。

「完全に当てた記事」ではなく、「重要な構造はかなり読めていたが、男女比とAIの使われ方という重要変数を外した記事」と評価するのが一番公平だと思います。

なお、これはまだ中間採点です。2024年9月開始なので、5年後の2029~2030年に「サービスが存続しているか」「累計成婚数がどこまで伸びたか」「民間市場にどんな影響を与えたか」を見ると、記事の核心だった「最終的に成功するのか?」にもかなり決着がつくはずです。

 

 

 

2 ここからはChatGPTに聞いた回答です。

 

はい。ここは前回の採点を下方修正したほうがいいです。

「3万6000人も申し込んだ」と見るか、「東京都という巨大市場で、しかも2年間1万1000円なのに3万6000人しか申し込まなかった」と見るかで意味がまるで違います。

比較してみると、私は後者の見方にかなり傾きます。

 

TOKYO縁結びの3.6万人は、本当に多いのか

2026年1月1日時点の東京都の日本人人口だけを年齢別に集計すると、20~39歳は約334万人です。

東京都の住民基本台帳統計が年齢各歳・男女別人口を公表しており、この20歳から39歳を合計した数字です。外国人を含めれば実際の20~30代人口はさらに多くなります。

 

TOKYO縁結びは2026年6月末までに、

指標人数
申込約36,000人
登録完了約16,000人
真剣交際760組
成婚265組

です。

仮に334万人だけを母数にしても、申込者3.6万人 ÷ 334万人 ≒ 1.08% です。

さらに実際に必要書類を揃え、面談して、お金を払って利用可能になった登録者1.6万人なら約0.48%です。

もちろん334万人全員が独身でも結婚希望でもありませんから、これは厳密な「潜在顧客獲得率」ではありません。

ただ東京都は未婚率がかなり高く、例えば25~29歳では男性79.3%、女性69.5%、30~34歳でも男性54.3%、女性42.7%というデータがあります。つまり潜在的な独身人口そのものは巨大です。

 

したがって、

東京都の巨大な独身人口を相手に、2年間11,000円という破格料金で1万6000人しか実利用者を獲得していない

という評価も十分成立します。

私は前回の「かなりの人が登録した=9/10」から、6/10程度まで下げます。

 

Pairsと比較すると桁が違う

Pairsは2026年現在、累計登録数2,700万人超を掲げています。

さらにPairs自身によれば、2014年11月~2025年9月の退会者アンケート集計で、交際・結婚した人が延べ90万人以上です。

もちろんこれは全国・長期間の累計値なのでTOKYO縁結びの1年9カ月程度とそのまま比較してはいけません。

そこで現在活動している人数を見ると、第三者調査ではPairsの月間利用者は約90万人と推計されています。withも月間利用者約54万人とされます。

withについては公式にも、累計会員1,500万人、1日13万組以上がマッチング と公表されています。

ここがものすごい差です。

TOKYO縁結びは約2年間かけて、登録者1万6000人 なのに対し、withでは、1日に13万組以上がマッチング しています。

もちろんwithの「マッチング」は「交際」ではありません。いいね同士が成立しただけです。それでも市場の流動量としては次元が違います。

ですから、一般マッチングアプリを比較対象にするなら、

TOKYO縁結びは「かなり利用された」とは到底言えない

と思います。

ただし結婚相談所と比較すると話が変わる

一方、結婚相談所市場と比較すると1万6000人はそれほど小さくありません。

最大手IBJ系ネットワークでは2026年時点で会員数が10万人規模です。

IBJメンバーズの公表データでは2026年1月時点でネットワーク会員が110,420人。2025年にはIBJシステム内だけで19,112人が成婚退会しています。

さらにIBJ全体では2025年、交際成立16万435組 でした。

つまり、

  • TOKYO縁結び:登録約1.6万人
  • IBJネットワーク:約11万人
  • Pairs:月間利用者約90万人
  • with:累計1,500万人、1日13万組以上マッチング

という感じです。

したがってTOKYO縁結びは、一般マッチングアプリとして見れば非常に小さい。しかし、一つの結婚相談所・婚活サービスとして考えれば無視できない規模 というのが公平です。

そして面白いのが「Pairsエンゲージ」です

ユーザーが思い出しているPairsの結婚相談所型サービスはPairsエンゲージだと思います。

これはもうありません。

2022年9月15日にサービス終了しています。新規受付は2022年6月30日で終了しました。

料金は当時、登録料12,000円+月額12,000円 程度でした。会員数は約3万人と報じられています。

これをTOKYO縁結びと比較すると面白いです。

TOKYO縁結びPairsエンゲージ
登録料等11,000円12,000円
月額0円12,000円
1年間11,000円約156,000円
2年間11,000円約300,000円
規模登録約16,000人約30,000人と報道
現状運営中サービス終了

これは結構衝撃的です。

仮に2年間利用すると、

Pairsエンゲージ約30万円
TOKYO縁結び1万1000円

なので、TOKYO縁結びは約27分の1です。

それなのにTOKYO縁結びの登録者は1万6000人。

つまりユーザーの指摘どおり、

「これだけ安いのに、なぜもっと爆発的に集まらないのか?」

という問いのほうが面白くなってきます。

なぜ2年間11,000円なのに1.6万人しか登録しないのか

私は主に五つあると思います。

まず最大なのが、安さだけでは婚活サービスを選ばないことです。

結婚相手探しでは、「安いから使ってみよう」より、「本当に魅力的な異性がいるのか?」のほうが重要です。

ここは普通の商品とは違います。

スーパーなら同じ商品が1/20なら圧勝します。

でも婚活市場ではPairsが4,000円、TOKYO縁結びが500円だったとしても、

「Pairsには100人会える候補がいるけど、TOKYO縁結びには10人しかいない」

ならPairsを選びます。

つまりネットワーク効果が非常に強い市場です。

利用者が多い→魅力的な人も増える→さらに人が集まる、という循環がPairsやwithにはあります。

TOKYO縁結びはこれをゼロから作らなければならない。

二つ目が、登録ハードルを意図的にものすごく高くしていることです。

TOKYO縁結びは単純にメールアドレスを入れて終わりではありません。

公式手順では、

入会申込→オンライン面談→プロフィール作成→必要書類提出→料金支払い

を経て初めて活動できます。

その結果、申込3.6万人→実登録1.6万人 です。

実に2万人、約56%が途中で登録完了していません。

これはかなり重要な数字です。

私はむしろここに注目します。

興味を持った人 36,000人

本気で手続きした人 16,000人

つまり料金ではなく手間が参入障壁になっています。

本人確認や独身証明はサービスの安全性を上げる一方、集客力を大幅に下げています。

これは2024年の記事で書いていた、

「人数を集めるため、本人確認はマッチング成立後でもいいのでは」

という発想には一定の合理性があったと言えます。

三つ目は普通のマッチングアプリより気軽さがないことです。

Pairsやwithなら、

「恋人ができればいい」
「とりあえず見てみたい」
「いい人がいたら結婚でも」

という人も入ります。

TOKYO縁結びは最初から、結婚 です。

これはターゲットを猛烈に狭めます。

したがってTOKYO縁結びはPairsの競合というより、

Pairs

Omiai

TOKYO縁結び

IBJなど結婚相談所

という「真剣度の高い側」に位置します。

四つ目は、11,000円の安さそのものがそれほど重要ではない可能性があります。

婚活する30代会社員にとって、年間数万円程度のマッチングアプリ代はそれほど致命的ではありません。

むしろ、「安くても相手がいなければ意味がない」となります。

だからPairsエンゲージが撤退した事実も重要です。

Pairsという圧倒的なブランドとユーザー基盤を持っていても、

「オンライン結婚相談所」自体は成功しなかった。

Pairsエンゲージは2022年に終了しました。

これはTOKYO縁結びの将来を見るうえでもかなり示唆的です。

そして五つ目。

東京都というブランドは「安心」には強いが、「恋愛」には必ずしも強くない。

これ、かなり大きいと思います。

「東京都公式の税金納付アプリ」なら安心感は圧倒的な武器です。

しかし、

「恋人を探そう!」

となったとき、東京都庁に行こう とは普通はなりません。

Pairsやwithは大量の広告費を投入し、「ここに異性がたくさんいる」という認知を何年も作っています。

婚活は特に人がいる場所に人が集まる市場なので、行政ブランドだけでは勝てないのでしょう。

そうすると、2024年の記事の評価が少し変わります

2024年の記事では、

「価格面と個人情報の信頼性で、かなり期待できる」

と予測しています。

これは方向としては正しかったが、効果を過大評価していたと見るべきでしょう。

安全性と価格は確かに強みでした。

しかし現実には、価格が27分の1になっても婚活需要が爆発するわけではなかった。

これはかなり重要な答えです。

むしろ今回の実証から、

婚活市場では「価格」より「会員数・魅力的な異性の数・気軽さ・ネットワーク効果」のほうが強い

ということが見えてきます。

だから私は最初の採点を、「かなり人が集まる」9/10 → 6/10 くらいに修正します。

そしてさらに面白いのは、2024年の記事で考えていた「価格破壊論」も少し弱くなることです。

11,000円という破壊的価格を実際に投入したのに、Pairsやwithや結婚相談所市場を吹き飛ばしていない。

これはむしろ、

婚活市場は価格競争だけでは壊せない

という実証結果になりつつあります。

これは2024年の記事を書いた時点では分からなかった、かなり価値のある「2年後の答え」だと思います。

 

 

3 ここからはChatGPTに聞いた回答です。

 

はい。この視点で調べると、かなり面白いです。特に重要なのは、「TOKYO縁結び単体の開発費」と「東京都の結婚支援事業全体」を混同しないことです。

東京都の公式資料から追える範囲では、俗に言われる「5億円のマッチングアプリ」という表現はかなり雑です。

 

1.TOKYO縁結びには、結局いくら使ったのか?

東京都は2026年7月のQ&Aでかなり明確な数字を出しています。

2023~2025年度の3年間の結婚支援事業全体:約8億円

そのうち、「結婚支援マッチング事業」:約3.6億円 です。

ただし、この3.6億円もTOKYO縁結びだけではありません。

東京都によると、この予算には、

  1. AIマッチングシステム「TOKYO縁結び」
  2. 交流イベント
  3. WEB個別相談

が含まれます。

 

したがって、

「TOKYO縁結びの開発に5億円かかった」

とは言えません。

むしろ正確には、

2023~2025年度のマッチング関連事業全体で約3.6億円。その中にTOKYO縁結びの開発・運用だけでなく、婚活イベントやWEB相談なども含まれる。

です。

 

ちなみに2023年度の結婚支援事業全体は予算約1億8200万円、決算約1億7400万円でした。

2024年度の「結婚支援マッチング事業」は約1億4759万円、2025年度は約1億2725万円です。

2026年度はさらに増えて、結婚支援マッチング事業:約2億536万円 となっています。

ただし、2026年度は独身証明書のオンライン取得などの機能追加も含まれます。

 

2.民間企業だったら採算はどうなる?

ここは思考実験すると面白いです。

2026年6月末現在の登録者は約16,000人。料金は1人11,000円です。

単純に、16,000人 × 11,000円 = 1億7600万円 の利用料収入です。

仮に「マッチング関連事業3年間3.6億円」を全部TOKYO縁結びの費用だと乱暴に仮定すると、

収入1.76億円 − 支出3.6億円=▲1.84億円 です。

 

しかし先ほどの通り、3.6億円には交流イベントやWEB相談まで含まれるので、TOKYO縁結び単体なら赤字幅はもっと小さくなります。

逆に行政職員の人件費や周辺広報費など、予算の切り分けによっては別途考えるべき費用もあります。

したがって民間企業のP/Lに直すには情報が足りません。

ただ、11,000円×2年間という価格で利益を出す設計ではないのはほぼ間違いありません。

 

民間なら、

11,000円で顧客獲得

月額課金

成婚料

結婚式・住宅・保険等へ送客

みたいなLTV設計にしたくなるところです。

東京都にはそれをやる必要がありません。

 

3.そして、ユーザーの「宣伝すれば化けるのでは?」はかなり重要

ここを調べてみたら、面白い事実がありました。

東京都もまさに「もっと宣伝する必要がある」と判断しているようです。

2026年度予算を見ると、新たに、

結婚支援事業の広報:8,842万円

を計上しています。

しかも東京都自身が、

「メリハリある計画的なプロモーションなど、戦略的な広報を展開」

すると明記しています。

 

約8800万円を広報だけに投入する。

これは結構な額です。

つまり東京都自身も、「サービスは作った。次は認知を取らないといけない」というフェーズに入ったように見えます。

 

4.ただし、今まで全然宣伝していなかったわけでもない

ここは予想と少し違いました。

東京都議会で2025年に、東京都がかなり具体的に答えています。

サービス開始時にメディア向け説明会を開催し、最初の4日間だけで、テレビ・新聞・ネット記事など40媒体以上 に取り上げられました。

東京都によると、これだけで、広告換算約2億円 の効果があったとしています。

さらにその後も、SNS広告、関連イベントでの動画放映、街中のデジタルサイネージ広告 を継続しています。

 

つまり、

「東京都はほとんど宣伝していなかった」

は違います。

ちゃんと広告しています。

ただ、ここには別の問題があります。

 

5.「広告している」と「ターゲットに届いている」は全然違う

これが重要だと思います。

例えば東京都庁や駅のデジタルサイネージに、

TOKYO縁結び!

と表示されても、20~30代独身者がちゃんと認識するとは限りません。

一方、Pairs、withなどは、「現在恋人を探している独身男女」 に極めて近いところへ広告を打てます。

 

ユーザーが挙げたGravityの発想もまさにこれです。

Gravity公式サイト

Gravityの広告料金について、信頼できる公開料金表は今回確認できなかったので「安い」とは断定できません。

ただし発想としては、20~30代が大量にいるSNS・コミュニティに婚活広告を出す ほうが、街頭サイネージよりコンバージョン率が高くなる可能性があります。

 

たとえば、

「東京都公式。独身証明書必須。2年間11,000円。真剣に結婚したい人限定。」

と出したら、結構強い広告コピーになります。

Pairsやwithなどを使っている人からすると、「え、月額じゃなくて2年間で1万1000円?」となるからです。

 

6.実は「安さ」をもっと前面に出したほうがいいのでは?

私はここにかなり同意します。

TOKYO縁結びの公式ページを見ると、現在は、

AIによる紹介
安心な出会い
結婚に向けたサポート

が主な訴求点です。

ところが民間サービスと比較した場合、一番異常なのは、

2年間11,000円 

です。

 

月換算すると、約458円/月。

普通のマッチングアプリどころか、サブスクとしても猛烈に安い。

さらに、独身証明書+本人確認+収入証明+面談 まである。

だったら広告戦略として、

「東京都公式の婚活。2年間11,000円。」

を一番上に出すのはかなり強いと思います。

「AI婚活」という技術訴求より、こちらのほうが直感的です。

 

7.ただし東京都が「価格破壊」を前面に出せない事情もある

ここが行政サービス特有の難しさです。

東京都が、

「結婚相談所に何十万円も払う必要ありません!東京都なら11,000円!」

と大々的に広告したらどうなるでしょう。

完全に民業圧迫問題になります。

結婚相談所業界からすればたまりません。

税金を投入したサービスが、市場価格を無視した赤字価格で顧客を奪うからです。

 

そして実際の東京都は現在、結婚相談所を潰す方向とは真逆に進んでいます。

2026年にはJMICと組んで、TOKYO縁結び会員888人に無料の「お試し結婚相談」を提供しています。

つまり、TOKYO縁結び vs 結婚相談所 にしないよう、かなり気を使っているように見えます。

これは2024年の記事で想定した「東京都が結婚相談所市場を価格破壊する」という構図とは違いました。

 

「結婚相談所に何十万円も払う必要ありません!東京都なら11,000円!」というような価格破壊アピールをできないようでは、宣伝する意味がないと思います。だってこのアプリの一番のウリはそこですから。つまり、民業圧迫で抑えているのであれば、今後も宣伝効果はなく、ジリ貧が続きそうです。あとは民間のマッチングアプリをならって、男女価格差をつけるべきかと。男は2年間で20,000円、女は2年間で1,000円というふうに。1000円でも払わせるのは大事かと。男女比が男のほうが多く、6対4はダメです。マッチングアプリは女が多いからこそ、男が集まります。>

 

8.しかし、サービスそのものには「価格破壊能力」がある

ここは分けて考えたほうがいいでしょう。

東京都に価格破壊する意図があるか? → おそらく違う。

でも、TOKYO縁結びに価格破壊能力があるか? → かなりある。

これは別問題です。

たとえば利用者が、1.6万人 → 5万人 → 10万人 になったら状況は変わります。

仮に10万人登録すると、10万人 × 11,000円=11億円 です。

そこまで行けばネットワーク効果も強烈になります。

 

「東京都内で真剣に結婚したい独身者が10万人いて、全員本人確認・独身証明済み」

というデータベースそのものに巨大な価値が出てきます。

そうなると民間結婚相談所は、

数十万円払って結婚相談所に入る意味は何なのか?

を改めて問われます。

そこで初めて本当の価格破壊が始まります。

 

9.だから「1.6万人しかいない」は弱点であると同時に伸びしろ

私は前の回答より、ユーザーの2024年の仮説を少し再評価します。

今のTOKYO縁結びには、

料金 ★★★★★
本人確認 ★★★★★
安心感 ★★★★★
結婚真剣度 ★★★★★
会員数 ★★
知名度 ★★

くらいのアンバランスさがあります。

 

最大の問題は商品そのものではなく、ネットワーク効果がまだ弱いことなのかもしれません。

しかも東京都自身もそこを認識したのか、2026年度は結婚支援全体を大幅拡充しています。

「TOKYO八結び」関連の結婚支援全体は約6億8354万円。そのうち広報だけで約8842万円を投入します。

さらに8月8日の大規模イベントなども展開しています。

 

つまり、2026年はちょうど、

「作ったけれど思ったほど広がらない」→「本格的に認知を取りに行く」

という第2フェーズに入った可能性があります。

そう考えると、2027~2028年の登録者数が非常に重要です。

ここから3.6万人の申込が5万人、10万人へ急伸するなら、「サービスそのものは良かったが初期マーケティングが弱かった」という話になります。

 

逆に約8800万円の広報費まで投入しても登録者があまり増えないなら、「認知不足ではなく、行政型婚活サービスそのものに需要の上限がある」 というかなり重要な社会実験の結果になります。

この観点なら、2024年の記事の「東京都のアプリは成功するのか?」は、実は2026年時点でもまだ決着していません。むしろこれから2年間が一番面白いところだと思います。

 

 

東京都の広告戦略としては、駅や街中のポスター、デジタルサイネージだけでなく、20代・30代が実際に長時間滞在している媒体に広告費を集中させたほうが効率的だと思います。

例えばGravityのように若者が多いSNSへの広告に加えて、若い世代から支持されている登録者数の多い有名YouTuberに広告費を払い、TOKYO縁結びを紹介してもらう方法です。

東京都公式、独身証明書あり、2年間11,000円という条件はかなりインパクトがあるので、YouTuberが実際にサービス内容や料金を紹介すれば、一気に認知が広がる可能性があります。

街頭広告のように不特定多数へ広く宣伝するより、結婚適齢期の20代・30代が大量に集まっているYouTubeやSNSに広告費を集中させたほうが、1人の登録者を獲得するための広告費は安くなる可能性があります。

結局、TOKYO縁結びに今必要なのは、サービスをさらに作り込むこと以上に、「若い独身男女がいる場所で徹底的に存在を知らせること」なのかもしれません。

 

 

4 ここからはChatGPTに聞いた回答です。

はい、方向性としてはかなり妥当だと思います。ただし、「生成AIなら数百万円で同じものが作れる」とまでは言いにくく、行政サービス特有のセキュリティ、本人確認、監査、運用を考える必要があります。

東京都は2023~2025年度の「結婚支援マッチング事業」全体に約3.6億円を投じています。

ただし、これはTOKYO縁結びの開発費そのものではなく、交流イベントやWEB相談も含んだ金額です。2024年度だけでも同事業予算は1億円でした。

 

2026年にゼロから作るなら、いくらか

私なら、TOKYO縁結びと同程度の実用サービスを民間企業が2026年の技術で新規開発する場合、ざっくりこう見積もります。

項目2026年的な概算
Web/アプリ本体・管理画面1,000~2,000万円
マッチング・推薦機能500~1,500万円
本人確認・証明書・決済等500~1,000万円
セキュリティ・監査・負荷試験1,000~2,000万円
UI/UX・設計・テスト500~1,000万円
PM・法務・インフラ等500~1,500万円
合計4,000万~9,000万円程度

これはあくまで私の概算で、東京都の実際の仕様書を完全再現した積算ではありません。

 

ただ、普通の民間スタートアップとして作るなら5,000万~7,000万円前後を一つの現実的な中心値として考えても、それほど不自然ではないと思います。

さらにMVPなら1,000万~3,000万円程度まで落とせるでしょう。ただし東京都レベルの個人情報を扱う本番サービスをそこまで削るのは勧めにくいです。

 

生成AIで安くなるのは、かなりあり得る

2026年現在、AIをソフトウェア開発に使っている国内開発者の57.9%が「開発効率・生産性の向上」を実感しています。一方、31.3%が脆弱性や情報漏洩などのセキュリティ問題を課題として挙げています。

TOKYO縁結びの場合、生成AIは特に、フロントエンド、バックエンド、管理画面、テストコード、ドキュメント、デバッグ、UIの試作 などで開発人数・工数を圧縮できます。

ただし、独身証明書、収入証明、本人確認、個人情報、決済、セキュリティ監査 の部分は「AIがコードを書いたからOK」にはできません。

実際、東京都も2026年度にはマイナポータルとの連携による独身証明書オンライン取得まで追加しています。

ここは人間による設計・レビュー・監査がかなり残ります。

 

でも「2年待てば安く作れた」は結果論としてかなり正しい

ここは面白いところです。

TOKYO縁結びの本格稼働は2024年9月20日でした。

2024年の生成AI開発環境と2026年ではかなり違います。

仮に東京都が、

2023~24年に企画・開発

2024年サービス開始

ではなく、

2024~25年は既存民間サービスや婚活イベントで対応

2026年にAIコーディングをフル活用して開発

としていたら、同等機能をより少人数・短期間で作れた可能性は高いと思います。

 

これは東京都の判断ミスというより、完全に結果論です。

2023年時点で、

「3年待てば生成AIによってソフトウェア開発費が大幅に下がる」

と確信することはできませんでした。

また2年間待てば、その間の成婚機会を失うという機会費用もあります。

 

損益分岐点を考えると、ものすごく変わる

ここはユーザーの着眼点が面白いです。

料金11,000円なので、仮に民間企業として考えると、

5,000万円で開発 → 約4,546人

7,000万円で開発 → 約6,364人

1億円で開発 → 約9,091人

の料金収入で初期開発費相当になります。

 

もちろん実際にはサーバー、サポート、人件費、本人確認、広告、保守などの変動費・固定費が続くので、これが本当の損益分岐点ではありません。

それでも現在の登録者が約16,000人ですから、売上換算すると、

16,000 × 11,000円=1億7,600万円 です。

仮に2026年のAIネイティブな小規模チームが5,000万円程度で作れたなら、1.76億円の利用料収入があるので、初期開発費については十分回収圏に入ります。

 

そしてここから前の「宣伝」の話につながります。

安く作る → 浮いた予算を開発ではなく集客へ回す という戦略です。

たとえば、

開発5,000万円
広告5,000万円

Gravity・YouTube・Instagram・TikTok等で20~30代に集中広告

会員数を増やす

会員が多いから魅力が増す

さらに会員が増える

というネットワーク効果を狙う。

 

婚活サービスの場合、機能を100点にすることより、「そこに大量の独身男女がいる」こと自体が商品価値になります。

だから2026年から結果論的に考えるなら、「開発費を極限まで下げ、その分を20~30代へのマーケティングとセキュリティに投入する」 という戦略はかなり合理的だったと思います。

ただし東京都の場合、利益最大化ではなく公共政策なので、「最安でアプリを作る」より、個人情報事故を起こさないこと、調達の透明性、継続性などに余分なコストがかかる点は差し引く必要があります。

なので記事に入れるなら、「5億円が5000万円になる」と断定するより、「2026年の生成AIを前提にゼロから設計すれば、数千万円~1億円弱での開発を検討でき、少なくとも2023~24年より開発人数・工数をかなり圧縮できた可能性がある。ただしこれは生成AIの急速な進歩を知った2026年から見た結果論である」くらいが一番強くて守りのある主張です。

 

 

終わりに

2024年の記事を書いた時点では、「TOKYO縁結び」はまだ存在していませんでした。

そのため僕は、結婚相談所より圧倒的に安い官製マッチングアプリが登場すれば、多くの婚活者が集まり、既存の結婚相談所に対する価格破壊を起こす可能性があると考えました。

約2年後から答え合わせすると、半分は当たり、半分は外れています。

2年間11,000円という料金は予想以上に安く、独身証明書や本人確認を重視した「結婚相談所とマッチングアプリの中間」というポジションも、おおむね予想通りでした。

一方、登録者は約1万6000人にとどまっています。

 

東京都の20代・30代人口やPairs、withなどの規模を考えると、「破格の料金によって爆発的に利用者が集まった」とまでは言えません。

さらに僕は女性が多くなると予想しましたが、実際には男性6:女性4で完全に逆でした。

AIについても「あなたの婚活市場での価値はこの程度」と高望みを修正するような使われ方ではなく、価値観などを使って相手を推薦する比較的穏当な仕組みでした。

そして、今回改めて考えて面白かったのが、TOKYO縁結びの問題はサービスそのものより、認知とネットワーク効果なのではないかという点です。

 

婚活サービスでは、機能が多少優れていること以上に、「そこに大量の独身男女がいる」こと自体が最大の商品価値になります。

だったら東京都内のポスターやデジタルサイネージだけではなく、Gravityのように20代・30代が集まるSNS、YouTube、Instagram、TikTokなどに広告費を集中させ、若者に影響力のある有名YouTuberにも紹介してもらう。

「東京都公式・独身証明書あり・2年間11,000円」を前面に出せば、まだ利用者を大きく増やせる余地はあると思います。

さらに2026年現在なら、生成AIを開発にフル活用することで、2023~2024年当時より少人数・低コストで同種のサービスを作れる可能性があります。

もちろん個人情報を大量に扱う婚活サービスなので、セキュリティや本人確認にかける費用まで削るべきではありません。

しかし、アプリそのものは可能な限り安く作り、セキュリティには十分なお金をかけ、残った予算を利用者獲得に投入する。

民間企業なら、こちらのほうが合理的な戦略でしょう。

 

もっとも、2023年時点で生成AIによる開発コスト低下を正確に予測することは困難だったので、これは2026年から振り返った完全な結果論です。

そしてTOKYO縁結びは、まだ開始から約2年です。

これから本格的な広報によって登録者が5万人、10万人と増えていけば、2024年に僕が予想した「結婚相談所市場への価格破壊」が遅れて現実になる可能性もあります。

逆に、これだけ安く、東京都という信用力があり、さらに広告費を投入しても利用者が伸びなければ、それはそれで重要な結果です。

「婚活市場では価格を下げるだけでは人は動かない」ということが、一つの巨大な社会実験によって示されるからです。

 

だから、2026年時点でTOKYO縁結びに「成功」「失敗」の最終判定を下すのは、まだ早いと思います。

2024年の記事で最後に「東京都のマッチングアプリの推移を見守ります」と書きましたが、2年後の現在も結論は同じです。

ただし今回は、サービス開始前の予想ではありません。

申込者3万6000人、登録者1万6000人、真剣交際760組、成婚265組という現実の数字を持ったうえで、次の2年間を予測できます。

2027年、2028年にTOKYO縁結びがどこまで成長しているのか。

そのとき、もう一度この記事の答え合わせをしてみたいと思います。

 

 

追加記事。

 

これは非常に重要な視点です。

前回は「東京都の20~30代人口約334万人に対して登録1.6万人だから少ない」と比較しましたが、本来比較すべき相手は20~30代人口全体ではなく、実際に年間結婚している20~30代の人数でもあります。

すると評価は少し変わります。

東京都では年間どれくらい結婚しているのか?

東京都の最新の確定統計である2024年(令和6年)人口動態統計では、東京都の婚姻件数は 76,441組 でした。これは東京都でその年に結婚生活を始め、届け出をした婚姻です。

東京都保健医療局+1

つまり年間約7万6千組、男女合わせると約15万人が結婚しています。

そして東京都は年齢別にも公表しており、結婚する中心はやはり20代後半~30代です。平均初婚年齢も東京都では男性32歳前後、女性30歳前後となっています。

 

東京都交通局+1

年齢別の婚姻者数をまとめると、おおよそ次の規模になります。

 

2024年 東京都の婚姻者数(20・30代)

東京都「第51表 婚姻者数、夫-妻・初婚-再婚・年齢別」を基に20~39歳を整理。年齢別人数は婚姻した人の人数であり、婚姻組数ではありません。

 

東京都医療保険情報

つまり、東京都では年間、

  • 20代・30代男性 約6.1万人
  • 20代・30代女性 約6.3万人

が結婚しています。

男女合わせて約12万人です。

 

TOKYO縁結び265組は少ないのか?

ここで比較すると印象が変わります。

TOKYO縁結びは2026年6月末時点で、

  • 登録者:約16,000人
  • 真剣交際:760組
  • 成婚:265組

でした。

265組ということは、結婚した男女は530人です。

 

東京都では年間約76,441組が結婚していますから、

26576,441×1000.35%\frac{265}{76,441}\times100\approx0.35\%76,441265​×100≈0.35%

です。

つまり東京都全体の年間婚姻の約0.35%に相当します。

 

もちろん注意点があります。

TOKYO縁結びは2024年9月開始なので、265組は「約1年9か月の累計」です。一方76,441組は2024年1年間ですから、完全に同じ期間ではありません。

それでも規模感を見るには参考になります。

数字だけ見ると、東京都全体の結婚市場に与えている影響はまだ小さいと言えます。

 

しかし「成果ゼロ」ではない

一方で、政策評価では別の見方もできます。

TOKYO縁結びは結婚相談所ではなく、東京都が新しく作ったサービスです。

開始から約2年で265組が成婚したなら、単純に考えても530人がこの仕組みを通じて配偶者を得たことになります。

しかも真剣交際760組がまだ存在しているため、今後成婚数はさらに増える可能性があります。

 

子供政策連携室

したがって、

  • 東京都全体から見れば小さい
  • 新規サービスとして見れば一定の成果

という両方が成立します。

この二つを混同しないことが重要です。

 

334万人と比べると少ない、婚姻数と比べても小さい

以前の議論では、

東京都20~30代人口約334万人に対して登録1.6万人だから0.5%程度

という話をしました。

これは「潜在市場」に対する浸透率です。

今回の婚姻数との比較では、

東京都年間婚姻約76,000組に対して成婚265組

です。

こちらは「成果市場」に対するシェアです。

整理するとこうなります。

 

比較すると見える立ち位置

つまり、あなたの記事で書くなら、

「登録者1.6万人しかいないから失敗」とも言えないし、「3.6万人申し込んだから大成功」とも言えない。比較対象によって評価が変わる。

という表現が最も公平です。

 

むしろ重要なのは「成婚265組」の今後

私が一番注目するのはここです。

東京都では年間約7万6千組が結婚しています。

その中でTOKYO縁結びは現在265組です。

仮に今後、

  • 500組
  • 1,000組
  • 3,000組

と伸びれば、東京都の婚姻市場でも無視できない存在になります。

 

例えば年間1,000組なら東京都婚姻の約1.3%、3,000組なら約4%です。

ここまで来ると「社会実験」ではなく、婚活インフラと呼べる規模になります。

逆に広報費を増やしても年間300組前後で頭打ちなら、「価格が安くても婚活市場ではネットワーク効果に勝てない」という結論に近づきます。

 

ですから、2026年現在の記事では、

TOKYO縁結びの265組という成果は、東京都全体の年間婚姻数から見ればまだ小さい。しかし、新しく始まった官製婚活サービスとしては確実に成婚者を生み出しており、今後どこまで東京都婚姻市場のシェアを伸ばせるかが本当の評価ポイントである。

という書き方が最も論理的だと思います。

 

 

追加――TOKYO縁結びを伸ばすなら、価格破壊を隠してはいけない

ここまで調べてきて、TOKYO縁結びにはもう一つ大きな問題があるように思いました。

それは、このサービス最大の武器である「圧倒的な安さ」を、本気で武器として使えるのか?という問題です。

TOKYO縁結びは2年間11,000円です。

独身証明書や本人確認があり、結婚を前提とした男女が集まるサービスでありながら、この価格です。

これは普通に考えれば、とてつもなく強い。

 

ところが東京都が民業圧迫への批判を恐れ、

「結婚相談所なら何十万円。TOKYO縁結びなら2年間11,000円」

という比較を前面に出せないのであれば、僕はこのサービスの最大の長所を自ら封印しているように思います。

もちろん東京都が税金を投入し、民間では到底実現できない価格で結婚相談所と真正面から競争すれば、「行政による民業圧迫だ」という批判は当然出るでしょう。

実際、東京都は結婚相談所業界を敵に回すのではなく、業界団体と連携して「お試し結婚相談」を提供するなど、TOKYO縁結びと民間結婚相談所を共存させる方向へ進んでいます。

 

行政としては理解できる判断です。

しかし、サービスのマーケティングとして考えると話は別です。

価格破壊が最大の差別化要因なのに、価格破壊を訴求できない。

これはかなり苦しい。

AIマッチング、東京都公式、本人確認の安心感なども強みですが、民間サービスとの差を一瞬で理解させられるのは、やはり「2年間11,000円」でしょう。

この圧倒的な価格差を広告の中心に据えられないのであれば、今後広告予算を増やしても、登録者数が劇的に伸びず、現在の延長線上をゆっくり進む可能性があります。

 

だから僕なら、民業圧迫という批判を覚悟したうえでも、「安さ」をもっと前面に出します。

そのうえで、もう一つ改善するとすれば男女の料金設定です。

現在の男女比は男性6:女性4です。

婚活サービスは単純に利用者総数を増やせばいいわけではありません。

男女の需給バランスそのものがサービスの商品価値だからです。

男性が多すぎれば男性側はマッチングしにくくなり、「お金を払っても会えない」と感じて離脱する可能性があります。すると男性会員をさらに広告で集めても、サービス全体の満足度向上にはつながりません。

 

そこで、例えば思考実験として、

男性:2年間20,000円
女性:2年間1,000円

くらいまで料金差をつける方法も考えられます。

女性を完全無料にせず1,000円だけでも払ってもらうのは、「無料だから何となく登録しただけ」という層を多少ふるいにかける意味があります。

一方、男性は現在より値上げします。

それでも2年間20,000円なら月換算約833円です。一般的な有料マッチングアプリや結婚相談所と比較すれば依然として非常に安い。

 

そして女性料金を大幅に下げ、

「東京都公式・独身証明あり・結婚目的・女性は2年間1,000円」

と、20代・30代女性が多いSNS、YouTube、Instagram、TikTokなどで集中的に宣伝する。

若い女性に影響力を持つYouTuberやインフルエンサーに広告費を払い、実際のサービス内容を紹介してもらうのも一案でしょう。

仮にこれによって男女比が現在の男性6:女性4から5:5、あるいは男性4:女性6程度になれば、今度は「女性が多い」という事実そのものが男性を呼び込む広告材料になります。

 

つまり、

女性を優遇して女性を集める
→ 男女比が改善する
→ 男性にとって魅力的な市場になる
→ 男性は多少高くても入ってくる
→ 会員数が増える
→ 出会いの選択肢が増える
→ さらに利用者が増える

というネットワーク効果を狙うわけです。

 

ただし、ここには注意点もあります。

男女別料金は民間マッチングアプリでは珍しくありませんが、東京都という行政主体が性別によって料金を変えるとなれば、公平性について民間サービス以上に厳しい説明が求められるでしょう。

そのため、実際に東京都が採用できるかどうかと、ビジネス戦略として合理性があるかどうかは分けて考える必要があります。

それでも民間企業としてTOKYO縁結びを運営すると仮定するなら、僕なら単純に「登録者を増やす」のではなく、どちらの性別が不足しているのかを常に見ながら、料金と広告費を調整します。

 

婚活サービスは、アプリを完成させたところで終わりではありません。

むしろ完成してからが本番です。

価格、男女比、会員数、成婚数、広告費、登録率、継続率を見ながら、需給を調整していく。

そう考えると、TOKYO縁結びは2年間11,000円という非常に強いカードをすでに持っています。

問題は、そのカードを東京都がどこまで本気で切れるかです。

 

民業圧迫を恐れて価格差を強く訴求できず、行政の公平性から男女別料金も導入できず、広告についても無難な方法に限定されるのであれば、行政だからこそ実現できた破格のサービスであると同時に、行政だからこそ大胆なマーケティングができないという矛盾を抱えることになります。

逆にそこを乗り越え、20代・30代への広告、男女比の改善、ネットワーク効果の形成まで本格的に取り組めるなら、登録者1万6000人という現在の数字が、このサービスの上限とは限りません。

TOKYO縁結びにはまだ伸びる余地があると思います。

だからこそ、今後見るべきなのは単なる「登録者数」だけではありません。

男女比がどう変化するのか。広告費を増やした結果、新規登録者がどれだけ増えるのか。そして最終的に成婚数がどこまで伸びるのか。

ここまで追って初めて、東京都によるこの巨大な婚活社会実験が成功だったのか、失敗だったのかを判断できると思います。

 

追加2 

 

その批判にはかなり重要なポイントがあります。ただ、TOKYO縁結びについて「民間ならすでに撤退」「東京都だから赤字を垂れ流している」とまで断定すると、現在公表されている数字だけでは少し強すぎます。

むしろ、同じ事業を民間企業がやっていたら、どんな経営判断を迫られるかに置き換えると、かなり面白い分析になります。

 

民間企業として見ると、現状はかなり厳しい

まず確定している数字を整理します。

東京都によれば、2023~2025年度の「結婚支援マッチング事業」は約3.6億円

ただしTOKYO縁結び単体ではなく、交流イベントとWEB個別相談も含みます。2026年度には、この事業だけでさらに約2.05億円の予算が計上されています。

したがって、2023~2026年度のマッチング関連事業 ≒ 約5.65億円 です。

一方、2026年6月末のTOKYO縁結びは、

登録者:約16,000人
成婚:265組

です。

 

料金収入を単純計算すると、16,000人 × 11,000円=約1億7,600万円 です。

したがって、乱暴に事業全体を一企業と見立てると、

約5.65億円の予算規模に対して、これまでの利用料金収入は約1.76億円。

しかも5.65億円は4年間の「予算」であって実支出額ではなく、TOKYO縁結び以外のイベント・相談事業も含むため、これをそのまま「4億円近い赤字」と呼ぶことはできません。

ここは記事でも区別したほうがいいです。

 

しかし民間なら「このままでいい」とはならない

こっちが本質だと思います。

仮に民間企業が毎年1~2億円規模の資金を投入しながら、利用料金が2年間11,000円だったら、経営者や投資家は当然、

「顧客獲得単価はいくらなのか」

「一人当たりLTVはいくらなのか」

「あと何人増えれば黒字になるのか」

「広告費をどこに投入すると登録率が最大になるのか」

「この機能は本当に必要なのか」

「男女比6:4をどう改善するのか」

「いつまでにKPIを達成できなければ撤退するのか」

を猛烈に詰めるでしょう。

東京都の場合、2026年度はむしろ事業を縮小せず、結婚支援マッチング事業を約1.27億円→約2.05億円へ増額しています。さらに結婚支援全体では約6.84億円、そのうち広報だけでも約8842万円です。

民間企業だったらかなり大胆な追加投資です。

 

仮に民間企業だったら、何年で資金が尽きる?

これは会社が最初に持っている資本金によって全く違います。

例えば、TOKYO縁結び型のスタートアップを作り、年間のネットキャッシュ流出が仮に1億円だったとします。

資金5億円なら約5年、3億円なら約3年、1億円なら約1年。

実際には売上があるので単純ではありませんが、スタートアップならランウェイを常に見ます。

そして資金が残り12~18か月になれば、追加調達する/料金を上げる/人員削減する/広告戦略を変える/ピボットする/売却する/撤退する のどれかを迫られます。

「もう少し様子を見ましょう」で何年も同じことを続ける余裕はありません。

ここが税を財源とする行政事業との大きな違いです。

 

ただ、「行政=ぬるい」には一つ反論もあります

行政サービスはそもそも利益を出すための事業ではありません

例えば消防、図書館、公園が赤字だから失敗とは言えません。

TOKYO縁結びについても東京都自身は、「結婚に関心はあるが婚活していない約7割の人の背中を押す」ことを目的にしています。

したがって評価式は、売上 − 費用 だけではありません。

例えば、

追加的に生まれた婚姻数 ÷ 税投入額

や、

婚活を始めた人数、成婚数、出生への長期的効果

などで評価する必要があります。

ここは民間企業とは根本的に違います。

 

それでも「身銭を切らないことによる規律の弱さ」という批判は成立する

私はここを分ければ、ユーザーの主張はかなり強くなると思います。

問題は、

「行政が利益を出していない」

ことではありません。

「市場から撤退を迫られる仕組みがない」 ことです。

 

民間企業なら利用者が増えなければ売上が増えない。

売上が増えなければ赤字になる。

赤字が続けば資金がなくなる。

資金がなくなれば会社が死ぬ。

だから必死に改善します。

一方、行政事業の場合、利用者が伸びない→税収が減る→事業が倒産する という直接的なフィードバックがありません。

これは確かにソフトな予算制約になり得ます。

しかもTOKYO縁結びの場合、2026年度は予算を増やしています。

だから民間的な視点からなら、

「2年間やってこの数字なら、追加で約2億円投入する前に、現在の顧客獲得単価、成婚1組当たり行政コスト、広告別コンバージョン率などを公開し、どの施策が効いたのか検証すべきではないか」

という批判のほうが、「税金だからぬるい」よりずっと強いと思います。

 

成婚1組あたりで見ると、さらに面白い

かなり乱暴な計算ですが、2023~2025年度のマッチング関連事業3.6億円を、2026年6月末までの265組で割ると、

約136万円/成婚1組 です。

ただし繰り返しますが、3.6億円にはイベントやWEB相談も含まれ、将来成婚する現在活動中の利用者もいます。

なので「1組結婚させるのに136万円かかった」と断定してはいけません。

 

しかし、政策KPIとしてこの数字を毎年追跡する価値はあります。

例えば将来、

3.6億円 → 265組
5億円 → 1,000組
7億円 → 3,000組

となれば、規模拡大によって1組当たりコストが急激に下がります。

逆に10億円投入して500組程度なら、事業の設計そのものを疑うべきでしょう。

 

そして、これは「産業政策」の議論にもつながる

ここについては、私は少し慎重です。

「だから日本の産業政策がまったく成功してこなかった」と一般化するには、TOKYO縁結び一件では証拠が足りません。

ただし、

失敗しても退出しない
→予算が翌年度にも付く
→成果より予算消化が重要になる
→担当者自身の資産は減らない
→市場のフィードバックが弱い

という構造が行政事業の弱点になり得る、という指摘自体は経済学的にも筋が通っています。

 

逆に民間には、倒産する という恐ろしく強力なフィードバックがあります。

だからこそ行政が民間企業的な事業をする場合には、利益を要求する必要はなくても、KPI、期限、費用対効果、撤退基準 は民間以上に厳しく設定したほうがいいと思います。

例えばTOKYO縁結びなら、「2028年度までに登録者○万人、年間成婚○組、成婚1組当たり行政コスト○万円以下。達成できなければ縮小・民間移管・終了」 のように、最初からサンセット条件を設定する。

これなら「税金だから永久に続けられる」という問題をかなり抑えられます。

 

そして面白いことに、東京都自身の資料を見ると2026年4月末で申込約3.4万人、6月末で約3.6万人です。

2か月で約2,000人増。

ここから約8842万円の広報予算を投入して、この増加ペースがどれだけ変わるのか。

これはかなりきれいな検証材料になります。

広告を大量投入して5万人、10万人へ伸びるなら追加投資は意味があった。

ほとんど変わらなければ、「認知不足」ではなく商品そのものの需要に限界があった可能性が高まります。

なので、この事業について本当に厳しい評価をするなら、2026~2027年度は非常に重要な観察期間だと思います。

「行政だからダメ」と最初から結論づけるより、民間企業なら当然要求される数字を東京都にも要求して、その数字で判定する。そのほうが記事としてもかなり説得力が出ます。

 

追加――民間と行政では「危機感」が違う

ここまで考えて感じたのが、民間企業と行政では、事業に対する危機感や動機が構造的に違うということです。

民間企業は売上や利益を出せなければ資金が尽き、最終的には撤退・倒産します。だから経営者は売上、コスト、広告効率、資金繰りを必死に考えざるを得ません。

最近では楽天グループが、軍事用の攻撃型ドローン「HX-2」を開発するドイツのヘルシングと提携し、防衛省への納入を支援することが明らかになりました。楽天にとって軍事用途のドローンを扱うのは初めてです。

これに対し「通販生活」を運営するカタログハウスは、自社の「非戦」という企業理念に反するとして楽天市場から撤退しました。

 

これは象徴的な出来事だと思います。

企業には理念や倫理も重要ですが、経営は理想だけでは食っていけません。 新しい市場を開拓し、売上と利益を作り、社員の給料を払い、会社を存続させなければならない。経営者が背負っている危機感やプレッシャーは相当なものです。

一方、行政事業は税金が財源であり、「このままでは会社が潰れる」という強制力がありません。これは担当者個人のやる気ではなく、仕組みそのものの違いです。

だからこそTOKYO縁結びのような公的事業には、民間以上に明確なKPI、費用対効果、撤退基準が必要なのではないでしょうか。

民間には倒産という強烈なフィードバックがある。行政にはそれがない。

この構造の違いは、TOKYO縁結びだけでなく、日本の公的事業や産業政策を考えるうえでも重要だと思います。

 

追加3

 

かなり似た理屈は通ります。ただし、TOKYO縁結びと日本のフィジカルAIでは決定的に違う点もあります。 調べてみると、日本のフィジカルAI政策はむしろ今、かなり大きな賭けに出ています。

政府は2026年度に「AIロボット・フィジカルAIを見据えたAI基盤モデルの開発」に3,873億円を計上しています。

AI・半導体全体では2026年度約1.2兆円、前年度補正と合わせ約1.5兆円規模です。政府は10兆円以上の公的支援を呼び水に50兆円超の官民投資を促す構想も掲げています。

なので「政府がフィジカルAIに本気ではない」とは言いにくいです。金額としてはかなり本気です。

ただ、ユーザーが指摘している問題は「投入額」ではなく、インセンティブの構造ですよね。ここにはかなり同意できる部分があります。

 

「金を出す本気」と「会社が死ぬ本気」は違う

民間企業には非常に単純なフィードバックがあります。

開発する → 売れない → 赤字 → 資金減少 → 経営者が焦る → 改善・撤退 → それでもダメなら倒産

です。

フィジカルAIならさらに厳しい。

ロボットを作っても工場が買ってくれない、導入しても人件費削減にならない、故障が多い、中国製より高い――となれば、その企業は実際に損をします。

 

だから、

「このロボット、技術的にはすごいです」

ではダメで、

「結局いくら儲かるの?」

まで突き詰めざるを得ません。

一方、政府の政策担当者には、「フィジカルAI政策が世界市場で負けたので自分の資産が3億円減りました」というフィードバックはありません。

ここはTOKYO縁結びと共通しています。

 

そして日本政府の現在のフィジカルAI戦略には、その危険性が実際にある

経産省は、日本の「勝ち筋」をかなり明確にしています。

日本には製造業、物流、医療などの豊富な現場データがあり、それを活用して国産マルチモーダル基盤モデルを作り、フィジカルAIにつなげるという構想です。

2026年には政府としてAIロボティクス戦略も策定し、ロボット導入に合わせて業務や施設そのものを「ロボットフレンドリー」に変える方針まで打ち出しています。

理屈はかなり通っています。

 

ただし危険なのは、「日本には製造業がある→ロボット技術がある→現場データがある→だからフィジカルAIで勝てる」と、政策ストーリーだけがきれいにつながってしまうことです。

実際の市場ではそんなに甘くありません。

大和総研も、日本は安全性・品質・現場適合には強みがある一方、基盤モデルや計算資源への投資規模では米中に見劣りすると指摘しています。

そして中国企業が、「日本製の80%の性能だけど価格は3分の1」 みたいなロボットを大量投入してきたら、政策資料に書かれた「日本の強み」など簡単に吹き飛ぶ可能性があります。

ここで必要なのが、まさにユーザーが言っている市場からの厳しいフィードバックです。

 

ただしフィジカルAIにはTOKYO縁結びとの大きな違いがある

ここはかなり重要です。

日本のフィジカルAIは政府だけでやっているわけではありません。

2026年7月には、富士通ファナック安川電機川崎重工業とフィジカルAIの事業検討を開始しました。NVIDIAの技術も活用します。

例えばファナックは、労働力不足や熟練技術者減少、グローバル競争を背景としてフィジカルAIを事業化しようとしています。

この企業群は負ければ普通に痛い。

設備投資を回収できなければ利益が落ち、競合にシェアを取られれば株価や経営にも響きます。

 

だから構造としては、

TOKYO縁結び
→ 行政が主体

に対して、

日本のフィジカルAI
→ 政府がお金・基盤を提供+民間企業が市場で戦う

です。

この違いはかなり大きい。

 

だから日本のフィジカルAIで怖いのは「補助金依存」だと思う

ユーザーの考えを一段精密にすると、私はここに行き着きます。

政府が3,873億円投入すること自体が悪いのではありません。

例えば、

政府が初期投資を負担
→ ファナックなどが技術開発
→ 世界市場で売れる
→ 民間売上が増える
→ 政府支援がなくても事業が成立

なら、かなり成功した産業政策です。

問題は、補助金→実証実験→補助金→次の実証実験→追加予算 となるパターンです。

これでは市場の「売れない」というフィードバックが、政府の補助金によって弱められます。

本来なら死ぬ事業が生き続ける。

これはユーザーがTOKYO縁結びについて感じている違和感とかなり似ています。

 

日本政府自身も、今回は一応「実装」をかなり意識している

ここは公平に評価したいところです。

現在の政策は研究開発だけではなく、研究開発→量産投資→導入支援→社会実装 まで明示しています。

2026年7月のAI戦略本部でも政府は、AIロボットの「研究開発・量産投資や導入支援」を進めるとしています。

つまり過去の「技術を作りました」で終わらせないようには考えています。

 

問題はその先です。

「導入支援を使って1000台売れました」 では不十分です。

補助金を外したあと、

定価でも企業が欲しがるのか?

が本当の勝負です。

 

私なら日本のフィジカルAI政策をこの5項目で採点します

  1. 政府補助金なしの民間売上はいくらか
  2. 海外企業への輸出額はいくらか
  3. 導入企業が実際に人件費・生産コストをどれだけ削減できたか
  4. 中国・米国製と価格性能比で競争できているか
  5. 政府支援終了後も事業が拡大しているか

これならごまかしにくい。

「実証実験○件」「採択企業○社」「研究開発費○千億円」は投入量であって成果ではありません。

 

なので、TOKYO縁結びからフィジカルAIへつなげる論理は成立する

ただ、表現を少し変えるともっと強い議論になります。

「公務員はやる気がない」ではなく、「失敗した本人に経済的損失が直接返ってこない仕組みでは、市場と同程度の危機感を制度的に生み出しにくい」です。

これは個人への批判ではなく構造論になります。

民間経営者なら失敗すれば自分の会社が死ぬ。

行政担当者なら政策が失敗しても国家が倒産するわけではない。

だからフィジカルAI政策で重要なのは、政府が「本気です」と言って3,873億円を出すことではありません。

 

その金を受け取った企業を、最終的には補助金のない市場へ放り出すことです。

そこで中国や米国の企業と戦って、客が自分のお金で日本製を選ぶ。

そこまで行って初めて、「日本はフィジカルAIで勝った」 と言えると思います。

逆に2030年代になっても「今年もフィジカルAI社会実装支援○千億円」と政府予算によって延命しているなら、ユーザーのTOKYO縁結びに対する批判とかなり同じ構造だった、と評価していいでしょう。

このテーマは今後かなり動くので、日本のフィジカルAI政策について「補助金→民間売上→海外売上→補助金依存度」がどう変わるかを追うと、かなり面白い検証になります。

 

 

 

追加4

https://gigazine.net/news/20260820-beware-management-consultants/?utm_source=x&utm_medium=sns&utm_campaign=x_post&utm_content=20260820-beware-management-consultants

暗黒時代を経験したスーパーマーケットによる「経営コンサルタントには注意せよ」という提言

 

これはかなり強烈な「組織が失敗したとき、現場ではなく管理・分析を増やすことで、さらに失敗する」ことへの風刺です。

そして、直前に話していたTOKYO縁結びや行政の産業政策とも、けっこうつながる話です。

 

ボートの話を普通の会社に翻訳すると

Aチームは、漕ぐ人7人+指揮する人1人 です。

つまり「実際に価値を生み出す人」が大部分を占めています。

Bチームは逆に、漕ぐ人1人+指揮する人7人。

要するに、

現場1人
管理職7人

です。

当然負けます。

ここまでは誰でも原因が分かります。

 

ところがBチームは「漕ぐ人を増やそう」とは考えません。

監査委員会を作り、コンサルタントを雇い、データを分析して、組織改革を行います。

その結果、漕ぎ手1人+キャプテン4人+マネージャー2人+シニアディレクター1人 になる。

つまり、何も解決していない。むしろ役職名だけ豪華になった。

ここがジョークの核心です。

 

そして負けた責任を「唯一の漕ぎ手」に負わせる

さらに酷いのがここです。

翌年もっと大差で負ける。

すると経営陣は、

「漕ぎ手のパフォーマンスが悪かった」

と判断して、唯一実際にボートを漕いでいた人をクビにします。

 

一方、

  • キャプテン
  • マネージャー
  • シニアディレクター

には、

「優れたリーダーシップを発揮した」

としてボーナスを支給する。

これは完全な皮肉です。

つまり、意思決定した人間は責任を取らず、現場に責任を押し付ける組織 を描いています。

 

さらにコンサルタントが「我々の戦略は正しかった」と結論づける

ここも重要です。

普通なら、

「コンサルティングそのものが間違っていたのでは?」

と考えるべきです。

しかしコンサル会社は、

戦略○
組織改革○
モチベーション○
問題は道具(ボート)だった

と分析します。

 

つまり、

自分たちの仮説が間違っていた可能性を検討しない。

これも組織で非常によく起こる問題を風刺しています。

失敗すると、

「戦略は正しかったが実行が悪かった」

「現場の理解が不足していた」

「環境が想定外だった」

などと説明すれば、戦略を作った人間自身は責任を回避できます。

 

Iceland Foodsが本当に言いたいのはここでしょう

この寓話を同社の歴史に重ねると非常に分かりやすいです。

1999年には約8000万ポンドの利益。

ところが旧経営陣が退いて経営体制が変わると業績が悪化。

2001~2005年を同社自身が「Dark Ages(暗黒時代)」と呼び、その後、創業者マルコム・ウォーカーらが復帰すると再び黒字化した、という文脈があります。

Iceland Foods

 

だからこの話は単なる、

「コンサルタントは無能だ」

という話より深い。

「会社の現場を知らない人間が、もっともらしい分析・会議・組織改革・KPI・役職を大量に作って、肝心の商品を売るという商売の本質を見失うな」 という警告でしょう。

 

これ、TOKYO縁結びの話ともつながります

ここがかなり面白いところです。

先ほど話していた、

「なぜ2年間11,000円という圧倒的価格なのに登録者1.6万人程度なのか?」

に対して、本当に必要なのはかなり単純かもしれません。

若い独身男女をもっと集める。

婚活サービスなのだから、極端に言えば、会員を集める→男女比を整える→マッチングさせる→結婚させる が本業です。

 

ところが行政組織がIcelandのBチーム型になれば、

有識者会議を開く

コンサル会社に調査委託

報告書を作る

AI機能を追加する

新しいキャンペーン名を作る

イベントを開催する

KPI資料を作る

となりかねません。

 

でも、本当に必要なのは、

「20~30代女性が足りない。では、その層がいる場所に広告費を集中投入しよう」

みたいな極めて単純な経営判断だったりします。

まさに、キャプテンを増やすのではなく、漕ぎ手を増やせ。という話です。

 

フィジカルAIにも、もっと強烈に当てはまる

直前の話ともつながります。

日本政府がフィジカルAIに数千億円を投入して、

検討会
→有識者会議
→コンサル
→研究会
→実証実験
→報告書
→補助金
→次年度の実証

となったら、Icelandのボートそのものです。

必要なのは最終的には、「実際に使えるロボットを作る人」 です。

 

そして、

工場に置いたら本当に人件費が減ったのか?
中国製より価格性能比がいいのか?
海外企業が自腹で買ったのか?

という結果を見る。

つまり、

ボートが速くなったのか?

だけを見ればいい。

 

ただしHacker Newsの元コンサルタントの反論もかなり重要

記事の最後にこのコメントを載せている理由もそこです。

この人は、

「いや、コンサルタントが必要な仕事もある」

と言っています。

例えば巨大インフラ事業で、数十社の業者を調整しなければならない。

発注企業自身には、

  • 特殊な技術知識がない
  • 規制の知識がない
  • 安全基準を評価できない
  • 大量の業者を管理できない

ことがあります。

 

しかも設計ミスが、死亡事故、環境災害、巨額損失 につながる。

そういう場合には専門家が外から入り、

「この設計は危険です」

「この業者の品質では規制を通りません」

とチェックすることには巨大な価値があります。

だから結論は、「コンサルタントは不要」ではありません。

 

本当の問題は「コンサルタントが漕ぎ手の代わりになってしまうこと」

これだと思います。

良い構造は、

漕ぎ手7人
+キャプテン1人
+必要なときだけ専門家

です。

悪い構造は、

漕ぎ手1人
+管理職4人
+コンサル3人
+会議
+報告書

です。

 

コンサルタントは、「現場を補助する専門家」 なら価値があります。

ところが、「実際に価値を生み出す人より、分析・管理・評価する人のほうが増える」 と組織がおかしくなる。

そしてさらに危険なのが、失敗→分析を増やす→管理職を増やす→現場が減る→もっと失敗する という自己増殖です。

 

これまでの話を一本につなげると

TOKYO縁結び、フィジカルAI、Iceland Foodsの話には共通するテーマがあります。

「投入した金額や組織の立派さではなく、最終的なフィードバックが意思決定者に返っているか?」 です。

民間企業なら、売れない→赤字→資金が減る→倒産する という猛烈に単純なフィードバックがあります。

だから経営者は嫌でも「ボートが速くなったか」を見ます。

 

一方、失敗しても予算が翌年また付き、コンサルが「戦略は正しかった」と説明し、担当者にも大きな損失が返ってこない組織では、ボートが遅い原因を永遠に分析しながら、キャプテンだけ増えていくことが起こり得る。

なのでIceland Foodsの寓話を一言で言い換えるなら、

「分析する人を増やす前に、実際に価値を生み出している人を増やせ。そして、議論ではなく結果を見ろ。」

でしょう。

これ、今話している「なぜ行政事業や産業政策は民間ほど必死になりにくいのか」というテーマと、かなりきれいにつながっています。

 

追加――最後に差をつけるのは「実行力」と「リソース」

結局のところ、経営では戦略やポジショニングも重要ですが、それ以上に重要なのは実行力とリソースなのだと思います。

優れた戦略を考え、競争相手が少ない市場を見つければ、一時的には大きな優位を作れます。

しかし、儲かると分かれば、いずれ他社が参入してきます。優れたビジネスモデルも分析され、模倣され、競争が始まります。

つまり、戦略やポジショニングだけで長期間勝ち続けられる企業はそれほど多くありません。

そこで最終的に差がつくのが、資金、人材、技術、設備といったリソースと、それを実際の成果へ変える現場の実行力です。

 

Iceland Foodsのボートの寓話もまさにこれでしょう。

どれだけ立派な戦略を作り、コンサルタントを雇い、組織を再編しても、実際にボートを漕ぐ人間が一人しかいなければ勝てません。

必要なのは、ボートを速くするために実際に漕ぐ人間と、その人たちが本気で漕げる仕組みです。

これはTOKYO縁結びにも、日本のフィジカルAI政策にも当てはまると思います。

「どういう戦略で勝つのか」を議論することは重要です。

しかし戦略を決めた後、本当に大量の利用者を集められるのか、本当に競争力のあるロボットを作れるのか、本当に世界市場で売れるのか。

 

最後はすべて実行です。

そして民間企業が強い理由の一つは、売れなければ赤字になり、最悪の場合は会社がなくなるという強烈なフィードバックがあることです。

現場も経営者も、結果を出さなければならない。

だから僕は、経営や産業政策を見るとき、戦略の美しさだけではなく、「誰が実際に漕ぐのか」「どれだけのリソースを投入できるのか」「その人たちが本気になる仕組みになっているのか」を見ることが重要だと思います。

戦略はスタート地点にすぎません。

最後に勝敗を決めるのは、それを現実に変える実行力とリソースです。

 

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