資産1億円でも結婚できない理由――金融資本、恋愛市場、そして「金の呪縛」について

どうも。

 

節約YouTuberのくらまさんが、婚活で苦戦しているらしい。

くらまさんといえば、借金384万円から徹底した節約と資産形成によって、資産1億円を達成した人物である。

節約、投資、合理化、固定費削減。

そうした分野においては、間違いなくトップクラスの実践者だと思う。

しかし、その一方で、婚活ではかなり苦戦しているという。

 

本人も動画や投稿の中で、資産1億円があっても女性一人を幸せにできない、お金で愛は買えない、といった趣旨のことを語っているようだ。

これは非常に興味深い。

なぜなら、現代社会では「金があれば人生はかなり有利になる」と考えられているからである。

もちろん、それは間違いではない。

お金があれば、生活の不安は減る。

選択肢も増える。

住む場所、食べるもの、働き方、医療、教育、老後。

多くの問題は、お金によってかなり解決しやすくなる。

 

しかし、恋愛や結婚となると、話は少し変わる。

お金は強力な武器ではある。

しかし、それだけでは人は惹かれない。

むしろ、お金を前面に出しすぎることで、逆に人間味が失われることすらある。

くらまさんの婚活の難しさは、単に「節約家だからモテない」という話ではないと思う。

もっと本質的には、金融資本を人生の中心に置きすぎると、人間関係、とくに恋愛において何を失うのかという話である。

 

婚活市場と恋愛市場は、そもそも別のゲームである

まず大前提として、婚活市場と恋愛市場はかなり違う。

婚活市場では、最初から結婚が目的になる。

そのため、相手を見る目も自然と条件寄りになる。

年収、職業、学歴、資産、家族構成、居住地、子ども希望の有無、酒・タバコ・ギャンブルの有無。

こうした条件が、かなり早い段階でチェックされる。

これはある意味で合理的である。

結婚とは生活だからだ。

恋愛のように「楽しい」「好き」「一緒にいたい」だけでは済まない。

家計をどうするのか。子どもを持つのか。

住む場所はどうするのか。親の介護はどうするのか。

生活水準はどこに置くのか。

こうした問題がある以上、婚活市場で条件が重視されるのは当然である。

 

一方で、恋愛市場では入口が違う。

最初から結婚を前提にするとは限らない。

まずは、一緒にいて楽しいか。話していて心地よいか。

また会いたいと思うか。相手に興味が湧くか。

その人の雰囲気に惹かれるか。

恋愛の入口では、金融資本よりも、感情や空気感の比重が大きい。

つまり、婚活市場と恋愛市場では、評価される資本が違う。

婚活市場では、金融資本や社会的信用がかなり見られる。

恋愛市場では、情緒、会話、ユーモア、安心感、余裕、人間味が見られる。

くらまさんの婚活が難しい理由は、ここにあるのではないか。

彼は金融資本のゲームでは非常に強い。

しかし、恋愛や結婚の初期段階では、金融資本だけでは勝てない。

むしろ、金融資本を前面に出しすぎると、「この人は私を見ているのではなく、条件や数字で見ているのではないか」と思われやすい。

 

資産1億円は魅力だが、出し方を間違えると警戒される

資産1億円というのは、間違いなくすごい。

しかも、親の資産を相続したわけではなく、借金状態から自力で築いたのであれば、なおさらすごい。

そこには、努力、継続力、自己管理能力、忍耐力、情報収集力、行動力がある。

これは大きな魅力である。

しかし、婚活や恋愛では、その魅力の伝え方が難しい。

早い段階で資産を公開すれば、相手は警戒するかもしれない。

「自慢なのか」
「上から目線なのか」
「お金で釣ろうとしているのか」
「逆に何か裏があるのではないか」

と思われる可能性がある。

 

一方で、隠しすぎると、自分の強みを伝えられない。

ここにジレンマがある。

ただ、私が思うに、資産は入口で見せるものではない。

入口で見せるべきなのは、人柄である。

資産は、あとから分かったときに強い。

最初に「資産1億円です」と言われると、重い。

しかし、何度か会って、人柄の良さや一緒にいる楽しさを感じたあとに、「実はかなり堅実に資産形成してきた」と分かると、印象はまったく違う。

同じ情報でも、出す順番によって価値が変わる。

恋愛では、情報そのものよりも、文脈が重要なのである。

 

「婚活女性はがめつい」は言いすぎだが、婚活市場が金融資本寄りなのは事実

くらまさんが婚活で苦戦している理由について、「婚活女性を狙うから苦戦している」という見方は一定の説得力がある。

婚活市場では、どうしても条件の比重が高くなる。

女性側も、結婚後の生活や子育て、住居、将来不安を考える。

そのため、男性の年収や資産、安定性を見るのは自然なことである。

ただし、ここで「婚活女性はがめつい」と言い切るのは、少し雑だと思う。

婚活女性全員ががめついわけではない。

結婚という生活共同体を考える以上、経済面を重視するのは現実的な判断でもある。

 

むしろ正確には、婚活市場では、恋愛市場よりも金融資本の比重が高くなりやすいということだろう。

そして、ここが皮肉な点である。

金融資本を評価されやすいはずの婚活市場で、くらまさんは苦戦している。

なぜか。

それは、金融資本そのものではなく、金融資本への向き合い方が見られているからだと思う。

単にお金を持っていることは魅力になる。

しかし、お金への執着が強すぎると、生活が窮屈そうに見える。

 

節約ができることは魅力である。

しかし、相手の支出や美容、生活習慣まで減点方式で見てしまうと、相手は息苦しくなる。

堅実さは魅力である。

しかし、楽しさや柔軟性が失われると、一緒に暮らす未来が楽しく見えない。

つまり問題は、資産額ではない。

資産形成に最適化されすぎた人格が、恋愛や結婚の場面でどう見えるかである。

 

くらまさんは「節約ゲーム」の勝者である

くらまさんは、節約家というより、節約ゲームの世界チャンピオンのような人だと思う。

固定費を削り、無駄を排除し、資産を積み上げる。

このゲームでは、感情を切れる人が強い。

目先の快楽を我慢できる人が強い。

浪費を悪と見なし、合理性を追求できる人が強い。

 

しかし、恋愛は別のゲームである。

恋愛では、感情を切るほど弱くなることがある。

無駄に見える会話。意味のない散歩。

少し高いカフェ。相手のために使う時間。

合理性だけで見れば、無駄に見えるものが、恋愛では価値になる。

むしろ、恋愛とは「無駄を一緒に楽しむ能力」でもある。

節約ゲームでは、無駄を削る人が勝つ。

恋愛ゲームでは、無駄を楽しめる人が強い。

ここが決定的に違う。

 

だから、くらまさんの能力が低いわけではない。

むしろ能力は高い。

ただし、最適化したゲームが違う。

節約と資産形成に最適化された思考を、そのまま恋愛や婚活に持ち込むと、相手からは冷たく見える。

株や投資なら、数字で比較してもいい。

しかし人間を数字で比較すると、相手は傷つく。

生活費を分析するのは大事だ。

しかし初期のデートでそれをやりすぎると、楽しい時間ではなく審査になる。

つまり、くらまさんは恋愛ができないのではなく、恋愛に対して節約ゲームのルールを持ち込みすぎているのではないか。

 

地方在住の若い女性を狙う戦略について

くらまさんには、地方在住の若い女性を狙い、恋愛の段階から関係を作っていくほうがよいのではないか、という見方がある。

これは半分は分かる。

最初から婚活として条件をすり合わせるより、自然な恋愛から始めるほうが、くらまさんの人柄や誠実さが伝わりやすい可能性はある。

また、都会の高所得バリキャリ女性よりも、地方在住で堅実な生活をしている女性のほうが、金銭感覚が合う可能性もある。

ファミレスでも楽しめる。高級店やブランド品にこだわらない。

派手な夜遊びをしない。生活水準が現実的。

こうした女性であれば、くらまさんの節約志向と合う可能性はある。

 

ただし、「地方女性だからがめつくない」と考えるのは危険である。

地方でもお金を重視する人はいる。

むしろ地方では収入が低い分、結婚相手の経済力を重視するケースもある。

また、地方は地域によって結婚や家族への圧力が強い場合もあり、生活共同体としての結婚観が強いこともある。

つまり、地方だから有利なのではない。

正確には、地方在住かどうかより、生活水準と金銭感覚が合うかどうかが重要である。

 

また、「若い女性を育てる」という発想にも注意が必要である。

たしかに、若い段階から付き合い、節約や投資や家計管理を一緒に学んでいく関係はあり得る。

それはかなり良い関係になる可能性もある。

しかし、「育てる」という言葉には、上下関係の匂いがある。

相手を自分好みに教育する。相手をコントロールする。

相手を未熟な存在として扱う。

そう受け取られる危険がある。

恋愛や結婚でうまくいくのは、「育てる」ではなく「一緒に育つ」関係である。

くらまさんが持つ節約や投資の知識を押しつけるのではなく、相手の価値観も尊重しながら、一緒に生活を作っていく。

その形なら可能性はある。

しかし、自分の節約思想に相手を染めようとするなら、かなり難しいと思う。

 

自立したバリキャリ女性にはモテにくいのではないか

次に、自立したバリキャリ女性にくらまさんはモテにくいのではないか、という見方について。

これは、一定程度その通りだと思う。

理由は、バリキャリ女性がすでに金融資本や社会的信用を持っているからである。

自分で稼げる。キャリアがある。

生活力がある。社会的な評価もある。

そういう女性にとって、男性の資産1億円はもちろん魅力ではあるが、それだけでは決定打になりにくい。

なぜなら、自分もある程度稼げるからである。

金銭的安定だけで男性を選ぶ必要が薄い。

 

そうなると、重視されるのは別の要素になる。

一緒にいて楽しいか。感情的に安心できるか。

尊敬できるか。会話が面白いか。

自分の仕事や価値観を理解してくれるか。

弱みを見せても受け止めてくれるか。

つまり、金融資本よりも、情緒資本や人間的魅力が問われる。

 

ここで、くらまさんがもし「自分には1億円ある」という金融資本を主な武器にしているなら、バリキャリ女性には刺さりにくい可能性がある。

なぜなら、彼女たちにとってお金は珍しいものではないからだ。

さらに、バリキャリ女性は忙しい。

合理性もある。自分の人生に対する基準も高い。

そこで、相手から減点方式で細かく分析されると、かなりしんどいはずである。

「この美容費は浪費ではないか」
「この生活習慣はどうなのか」
「この支出は合理的なのか」

このように見られると、恋愛ではなく監査になる。

それでは、いくら資産があっても魅力にはなりにくい。

 

ただし、「バリキャリ女性はヒモ気質の男が好き」と一般化するのは危うい。

たしかに、自分で稼げる女性の中には、相手に経済力よりも癒やしや楽しさを求める人もいる。

結果として、収入は高くないが人間的魅力や癒やしを持つ男性を選ぶケースもあるだろう。

しかし、バリキャリ女性全体がヒモ気質の男性を好むわけではない。

高収入女性ほど、同じく高学歴・高収入・高能力の男性を求めることも多い。

要するに、バリキャリ女性も一枚岩ではない。

ただ一つ言えるのは、自立した女性ほど、男性の金融資本だけでは動きにくいということである。

その場合、くらまさんに必要なのは、より多くのお金ではなく、金以外の魅力である。

 

恋愛で必要なのは「人的資本」だけではなく「情緒資本」である

ここで、人的資本という言葉について考えたい。

人的資本とは、一般的にはスキル、知識、能力、経験などを指す。

仕事ができる。文章が書ける。

情報収集ができる。節約ができる。

投資ができる。健康管理ができる。

こうした能力は人的資本である。

しかし、恋愛や結婚では、人的資本だけでは足りない。

恋愛で重要になるのは、人的資本の中でも、とくに情緒に関わる部分である。

 

私はこれを、情緒資本と呼びたい。

情緒資本とは、たとえば以下のような力である。

相手の話を楽しく聞く力。相手を安心させる力。

緊張をほぐす力。一緒に笑う力。

相手の感情を受け止める力。

自分の感情を自然に表現する力。

空気を読む力。相手の良いところを見つける力。

完璧でない部分を許す力。

 

こうした力は、金融資本とは別物である。

そして、恋愛ではこちらのほうが強い場面が多い。

資産1億円があっても、会話が楽しくなければ次はない。

高身長でも、相手が緊張して疲れるなら続かない。

堅実でも、生活が窮屈そうなら選ばれない。

一方で、お金がそこまでなくても、一緒にいると楽しい人は強い。

安心できる人は強い。自分を肯定してくれる人は強い。

だから、くらまさんが本当に婚活や恋愛で成功したいなら、金融資本をさらに増やすより、情緒資本を増やすほうが効く可能性が高い。

 

金があってもモテない人はなぜいるのか

世の中には、金があってもモテない人がいる。

もちろん、金によって近づいてくる人はいる。

しかし、それは恋愛というより取引に近い。

キャバクラや夜の店ではモテるが、日常の人間関係ではモテない。

そういう男性は珍しくない。

 

なぜそうなるのか。

それは、金融資本がある一方で、情緒資本が不足しているからだと思う。

お金はある。しかし、一緒にいて楽しくない。

自慢が多い。上から目線。

相手の話を聞かない。自分の価値観を押しつける。

感情表現が乏しい。

こうなると、お金はあっても人は離れていく。

 

逆に、お金はそこまでなくても、友達が多い人、女性に好かれる人、場を明るくできる人がいる。

これは、金融資本ではなく、情緒資本や社会資本があるからである。

ここで重要なのは、金が無意味ということではない。

金は重要である。

最低限の生活、安心、将来設計には必要だ。

しかし、金は万能ではない。

金は生活を安定させるが、感情を温めるとは限らない。

金は不安を減らすが、会話を面白くするわけではない。

金は選択肢を増やすが、相手に「また会いたい」と思わせる力そのものではない。

ここを勘違いすると、金融資本を増やせば増やすほど幸せになれるはずなのに、なぜか人間関係では苦戦する、という状態になる。

 

 

金の呪縛から解かれるということ

ここからは、くらまさんの話を超えて、自分自身の話にもつながる。

人生において、お金は大事である。

これは間違いない。

特に現代日本では、物価も上がり、将来不安も強い。

お金を軽視するのは危険である。

しかし、お金を心の中心に置きすぎると、苦しくなる。

なぜなら、求めているのに得られない状態が続くと、人は欠乏感に支配されるからである。

月収がほしい。資産がほしい。経済的自由がほしい。

 

そう思っているのに得られないと、自尊心が削られる。

自分には価値がないのではないか。

社会的に負けているのではないか。

人から認められないのではないか。

そう感じてしまう。

これは恋愛コンプレックスにも似ている。

恋愛を求めているのに得られないと、そのことばかり考えてしまう。

しかし、一度その欠乏が満たされたり、あるいは自分の中で意味づけが変わったりすると、呪縛は弱まる。

 

金も同じではないか。

もちろん、月収10万円を目指すことは大事である。

それは現実的な目標として続けるべきである。

しかし、それが達成されるまでの数年間、ずっと「金がない自分はダメだ」と思い続けるのは、あまりにも苦しい。

だから、一時的にでも、金融資本を心の中心から外す必要がある。

金は必要だが、自尊心の中心には置かない。

金は目指すが、今の自分の価値を決めるものにはしない。

この切り替えが必要なのだと思う。

 

「成功したニート」という安全基地

ここで出てくるのが、「成功したニート」という考え方である。

成功したニートとは、単に働いていない人のことではない。

金は少ないが、他の魅力や能力で自尊心を保ち、人生を楽しく生きられている状態である。

たとえば、知識がある。文章が書ける。

人を楽しませることができる。

独自の視点がある。健康管理ができる。

節約ができる。思考力がある。

人間観察ができる。

こうしたものは、金融資本ではない。

しかし、人生を支える資本である。

 

人的資本であり、情緒資本であり、物語資本でもある。

現実的に、金融資本が少なくても、人的資本が蓄積されているなら、それは誇っていい。

金はない。しかし、何もないわけではない。

むしろ、金以外の部分に関しては、かなり積み上げてきたものがある。

この認識は重要である。

金融資本が少ないからといって、自分の全体価値まで低く見積もる必要はない。

人間の価値は、金融資本だけでは決まらない。

 

成功したニートが好かれる可能性があるという意味で、斎藤飛鳥さんの事例がある。

もちろん、これを言葉どおりに受け取っていいかは不明である。

 

 

人生には「資本」と「市場」の相性がある

ここで、今回の話を整理したい。

人生には、いくつかの資本がある。

金融資本。人的資本。社会資本。

情緒資本。物語資本。

それぞれ価値がある。

ただし、重要なのは、どの市場でどの資本が評価されるかである。

 

婚活市場では、金融資本や安定性が評価されやすい。

恋愛市場では、情緒資本や人間的魅力が評価されやすい。

仕事市場では、人的資本が評価されやすい。

友人関係では、情緒資本や共感性、面白さが評価されやすい。

SNSやブログでは、物語資本や独自の視点が評価されやすい。

つまり、資本そのものだけでなく、市場との相性がある。

 

金融資本が強い人でも、恋愛市場で苦戦することはある。

人的資本が強い人でも、会社組織では評価されないことがある。

情緒資本が強い人でも、資格や学歴が必要な市場では不利になることがある。

だから、自分の資本が評価される場所を選ぶことが重要である。

くらまさんの場合、金融資本は圧倒的に強い。

しかし、恋愛や結婚では、それをどう人間的魅力に変換するかが問われている。

 

一方で、金融資本が少ない人でも、人的資本や情緒資本や物語資本があるなら、それが評価される場所で勝負すればいい。

友人関係、コミュニティ、発信、文章、相談、会話。

そうした場では、金の多寡は見えにくい。

むしろ、その人と関わって楽しいか、その人の話に価値があるか、その人の視点が面白いかが重要になる。

 

結婚生活で本当に必要なもの

結婚生活において、お金は大事である。

これは否定しない。

生活費、住居、子ども、医療、老後。

お金がなければ苦しくなる。

しかし、結婚生活はお金だけではない。

二人で一緒に過ごす時間がある。

日々の会話がある。食事がある。

休日がある。トラブルがある。

弱っているときがある。退屈な日常がある。

その中で、「この人と一緒にいて楽しい」「この人となら大丈夫」と思えるかどうかが重要になる。

 

生活の安定は保証されるが、楽しくない結婚生活。

お金はあるが、会話が冷たい結婚生活。

節約は完璧だが、息が詰まる結婚生活。

そういう生活を望む人は多くない。

逆に、そこまで裕福ではなくても、一緒にいて楽しい、安心できる、くだらないことで笑える、困ったときに支え合える。

そういう関係のほうが、幸福度は高い可能性がある。

 

だから、結婚に必要なのは、金融資本だけではない。

生活を守る金融資本。生活を作る人的資本。

関係を温める情緒資本。二人の歴史を作る物語資本。

これらが必要なのだと思う。

 

くらまさんが本当に変えるべきこと

くらまさんがもし本気で結婚したいなら、狙う女性の属性だけを変えても限界があると思う。

地方女性を狙う。若い女性を狙う。

バリキャリ女性を避ける。

婚活市場ではなく恋愛市場に行く。

これらは一定の意味がある。

しかし、本質ではない。

本当に変えるべきなのは、恋愛で評価される資本を増やすことだと思う。

 

つまり、情緒資本である。

節約術を語るより、相手が笑った話題を覚える。

資産を見せるより、一緒にいて楽しい時間を作る。

減点方式で見るより、相手の良いところを探す。

支出を監査するより、その人が何を大事にしているのかを知る。

合理性だけでなく、感情を扱う。

節約ロボットではなく、人間として関わる。

これが必要なのだと思う。

 

もちろん、くらまさんの節約家としての本質を捨てる必要はない。

むしろ、そこは大きな魅力である。

問題は、節約を相手にも強制してしまうことだ。

自分は節約する。

しかし、相手の価値観も理解する。

お金を大事にする。

しかし、楽しさも大事にする。

資産を守る。しかし、関係も育てる。

このバランスが取れたとき、くらまさんの魅力はかなり伝わりやすくなるのではないか。

 

そして自分自身の話へ

くらまさんの婚活を見ていると、結局これは自分自身にも返ってくる話である。

自分もまた、金融資本をかなり重視してきた。

人的資本、金融資本、社会資本。

その中で、金融資本が得られていないことに苦しんできた。

月収10万円を稼ぎたい。経済的に自立したい。

金のコンプレックスを消したい。

その気持ちはある。

しかし、金融資本を得られていないことを理由に、自分の全体価値を低く見積もる必要はない。

 

なぜなら、人的資本はかなり積み上げてきたからである。

文章を書く力。考察する力。

情報を集める力。節約する力。

健康管理する力。セキュリティを考える力。

人生を理論化する力。

こうしたものは、確かに蓄積されている。

それは金融資本ではない。

しかし、資本である。

 

金はないが、何もないわけではない。

むしろ、金以外の魅力や能力を作ってきた。

これは誇っていい。

もちろん、月収10万円は引き続き目指す。

しかし、それが達成されるまで、自尊心を凍結する必要はない。

金が入るまで幸せになってはいけない、というルールはない。

金の呪縛から一時的に離れ、成功したニートのように、自分の安全基地を耕す。

そのうえで、現実的な収益化を続ける。

これが今の自分にとっては、かなり賢い戦略なのではないかと思う。

 

終わりに

くらまさんの婚活の苦戦は、単なる有名人の恋愛ネタではない。

そこには、現代人が抱える大きなテーマがある。

金があれば幸せになれるのか。

金融資本があればモテるのか。

努力して資産を作れば、人間関係もうまくいくのか。

答えは、おそらく半分はイエスで、半分はノーである。

 

金は大事である。

しかし、金だけでは人は惹かれない。

資産は安心を与える。

しかし、楽しさや温かさまでは保証しない。

節約は生活を守る。

しかし、節約しすぎると、人生の余白まで削ってしまうことがある。

 

恋愛や結婚で必要なのは、金融資本だけではない。

人的資本。情緒資本。物語資本。

そして、相手と一緒に楽しい時間を作る力である。

くらまさんは、金融資本の世界ではすでに勝っている。

しかし、恋愛では別の資本が問われている。

そしてそれは、くらまさんだけの問題ではない。

金がないことに苦しむ人も、金があるのに満たされない人も、結局は同じ問いにぶつかる。

 

自分は何を資本として持っているのか。

その資本は、どの市場で評価されるのか。

そして、自分は何を心の中心に置いて生きるのか。

金融資本は大事である。

しかし、それだけを人生の中心に置くと、心は貧しくなる。

金を目指しながらも、金以外の魅力を育てる。

これが、これからの時代の幸福戦略なのかもしれない。

 

 

https://toyokeizai.net/articles/-/947440?page=3

「ちゃんと恋愛してから結婚したい」がなぜこんなにしんどいのか…ジェーン・スーが34歳婚活女性に見た”社会の呪縛”

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